皆様が新築の家を購入する際、ほとんどの場合土地も同時に購入するため、どうしても多額の資金が必要となります。そのため銀行からお金を借りて分割払いで返済していく、『住宅ローン』を利用する方が大半ではないでしょうか。不動産業者は不動産の売買では買主から売主へのお金の動きを、手付金(売買代金の1割)、残金(売買代金の9割)と2回に分ける契約を行います。銀行で行われるこの2回目の売買代金残金の支払いを、私達司法書士は「決済」と呼んでおります。手付金の支払いから決済まで、買主、売主共に大量の書類に署名・捺印を行うこととなります。特に買主は住宅ローンを組むための書類が加わる事で、今までに経験したことがないほどの、書類に署名・捺印をひたすら繰りかえす経験をする事となります。その集大成ともいえる日が銀行での決済の日なのです。不動産決済の当日は銀行に売主、買主、不動産業者、担当の銀行員、司法書士などの当事者が全員集結します。司法書士はここで、売主が持ってきた不動産の権利書、印鑑証明書、実印の確認、その他売主から買主へ不動産の名義変更に必要な書類が全て揃っているかを入念に確認します。この時に書類の有効期限が切れていたり、権利書が無かったりなどの不備が発覚する事があります。その時は当然決済は中断する事となります。場合によっては決済の日が延期される事もあります。数千万円単位のお金が動く以上は万全を期さねばなりません。そのための厳重なチェックを司法書士は行うわけです。
上記のように司法書士は決済当日に重大な任務を担うわけですが、その司法書士を不動産の買主はどのようにして探しているのでしょうか。多くの場合は不動産業者に一任しているようです。不動産業者には提携している司法書士、または知り合いの司法書士が必ずいるからです。不動産売買では不動産に関して膨大な知識を持つ不動産業者に頼り切りになりがちですが、その延長で司法書士探しもお願いする方が多いのでしょう。しかしながら、中には司法書士をご自身でお探しになる方もいます。その理由として、当ホームページをご覧になりご依頼くださった方は、「不動産売買で不動産業者に全面的に主導権を握られている状態を良くないと感じた。」と述べておられました。また別のお客様は「不動産業者が紹介してきた司法書士の報酬が、かなり高額でびっくりした。」とおっしゃっていました。実際に私が見積額を計算してみたところ、不動産業者が出した司法書士の報酬額は私の見積額の倍近い金額でした。
この様に、何か疑問を抱くことがあった時には、インターネットを利用したり、司法書士会への問合せ等で、信頼できる司法書士を自ら探す事をおすすめします。不動産決済は司法書士の代表的な花形ともいえる業務です。不動産の購入に関しまして詳しく知りたい方、また、疑問等がございましたら、相談を随時受け付けておりますので、是非一度ご連絡ください。