住民票を異動しても登記上の住所は変わらない?!
結論から言いますと、登記上の住所は自動的には変わりません。引っ越しをしたら、転居届を市区町村に提出することで住民票の住所が変更されることは多くの人が知っていることかと思います。また、その後に免許証の住所変更手続きを警察署で行うことも広く知られています。しかし、不動産を所有している人でも、不動産登記上の名義人の住所変更には考えが及ばない人は多いようです。実際、登記上の住所も住民票を異動したら自動的に反映されるものだと思っている人も少なくないのではないでしょうか。一般的に不動産を購入したときの所有権移転登記の手続きは司法書士が代理するため、申請書を作成して法務局に提出することを知らなかったり、登記そのものに馴染みがない人が多くても不思議ではありません。
不動産登記の住所変更は義務?!
それでは住民票を異動したら不動産登記の住所変更もしないと罰則はあるのかというと、それはありません。ただし、住所変更をした後に売却、贈与によって所有権移転をしたりお金を借りて抵当権設定をする際には、前提として住所変更登記をする必要があります。法務局では登記上の住所、氏名で登記申請人が本人であるのかを確認するためです。なお、行政が住居表示の実施をしたり区画整理事業等で住所の変更があった場合であっても登記上の住所は自動的に変わらないのですが、その場合は市区町村で非課税証明書を取得することで、登記申請の際に通常納める登録免許税(印紙代)を節約できます。
住所変更登記には登記上の住所からつながる書類(住民票や戸籍の附票)の提出が必要ですが、何度も転居するとつながりをつける書類の準備に時間を要し、場合によっては不在籍不在住証明書等聞き慣れない書類も必要になり手続きが煩雑になります。いざというときに慌てないためにも、住民票を異動したら登記上の住所も変更しておくことをおすすめします。