相続の手続きを行う専門家といえば、司法書士、弁護士、行政書士、税理士を思い浮かべるのではないでしょうか。インターネットで「相続」と検索すれば、これらの専門家がずらりと出てきます。ここで注目したいのが、同じ相続手続きでも資格の制限によって許される手続きの範囲が異なり、また、得意な分野があるということです。ここでは司法書士が得意とする相続手続きをご説明させていただきます。
不動産の名義変更
不動産は、代表的な相続財産です。しかも最も高額な財産ともいえるでしょう。この不動産の名義変更が行えるのは司法書士と弁護士のみです。さらには専門として業務を行っているのは司法書士だけになります。最近では、相続登記について法務局に相談し、ご自身で行う方が増えているようですが、蓋を開けてみると手に負えず、私の事務所にご相談に来る方も増えております。
預金の払戻
不動産登記とセットでのご依頼が多いのが預金の払戻です。不動産登記で使った書類を、そのまま使えるというメリットがあるからです。また、司法書士は住宅ローンの抵当権の設定登記などで、銀行・信用金庫といった金融機関と関わる機会が多く、金融機関から高い能力を持った専門家として信用されております。
株式の移管・配当金の払戻
このお手続きも不動産の相続登記で使用した書類がそのまま使えます。一昔前は、専門家による代理での手続きを認めていなかった証券会社が多かったのですが、最近ではほとんど問題なく行えるようになりました。
ゴルフ会員権の名義変更・退会手続きや自動車の名義変更等
この手続きもやはり、不動産の相続登記で使用した書類がそのまま使えます。クラブよっては、所定の様式の書類を使用しなければならないケースもありますが、相続登記で収集した戸籍・除籍・印鑑証明書は援用できます。自動車の名義変更も同様のメリットがございます。上記のように、不動産の名義変更の書類が他の相続手続きでもそのまま使えるケースがほとんどです。不動産の名義変更手続きをベースに他の相続手続きを行えるので、スムーズに進めるための大きなメリットと言えるでしょう。また、司法書士は相続放棄の手続きや遺言書の検認の申立てといった司法書士や弁護士しか行う事ができない手続きも行えます。そういった意味で、私は司法書士が最も相続手続きに馴染みがあり、相続手続きに適した専門家と自負しております。
最後に、相続手続きで気を付けて頂きたいことをお伝えします。それは、高い需要があるためか、まともな国家資格も経験も有しない怪しげな業者が多く存在するということです。相続はあなたの今後の人生を左右する可能性の高いできごとです。後悔しないためにも、“あれっ”“何かがおかしい”と感じた時には、是非ご相談ください。