不動産を取得する理由は人によって異なります。住宅ローンを組んで土地と建物を購入したり、亡くなった親から相続によって取得したり、贈与によって無料で取得したり様々な理由によって不動産を取得できます。不動産を取得した方は名義変更をするために不動産の所在地の法務局で登記を行います。民法177条により不動産を第三者に対抗するためには法務局で名義変更を行わなければならないからです。もっとも民法177条という小難しい理屈というより感覚的なもので名義変更の登記をする必要があると、不動産をご取得になった方のほとんどは考えるようです。おかげさまで当事務所には多くの方から名義変更の登記の依頼をいただいております。
法務局にどのような情報が記録される?
法務局で不動産の名義変更がなされるとどのような情報が記録されるのでしょうか。おおむね下記のような記録が登記されます。
- 原因となった行為(例えば売買、贈与、相続など)
- 原因となった行為の日付(例えば4月1日売買、4月2日相続など)
- 所有者の住所及び氏名、その履歴
登記される情報でもっとも重要な情報は、何といっても現在の所有者の住所と氏名でしょう。不動産の名義変更では新しい所有者の住民票などが添付書類となるため、住民票の通りの正確な住所・氏名が登記されることとなります。登記された情報ですが、これは法務局で誰でも登記事項を取得して見ることができます。おそらくは不動産の市場の活性化のため政策的に誰でも登記事項を取得できるようになっているのでしょう。
最近、相続登記のご依頼を受けたお客様から、相続による名義変更が完了した後に、不動産業者から手紙が多数届くようになったとのご連絡が増えています。これは、法務局の登記情報を専門的に調査している業者が、不動産業者に登記記録の変化を教えているためです。司法書士が不動産業者に情報を提供することはないため、誤解しないでいただきたいと思います。現時点では、このような手紙を完全に防ぐ方法はありませんので、不要な手紙は捨てても問題ありません。